保育園・幼稚園の労務問題（その２）
経営改善の第一歩
施設経営に携わる先生方と関わる中で、人を大切にする経営が浸透している施設は、自発的にいきいきと働く職員が多く、園全体から活気ある雰囲気が伝わってきます。第三者評価の結果報告書を拝見しても、働く職員、子ども、保護者の満足度も高く、評判が評判を呼び、地域からの信頼も厚いことが伺えます。
社会保険労務士として、施設と関わり、施設経営で大切だと感じることが三つあります。
一つ目は、「何のために施設はあるのか」という施設の経営理念・ビジョンが職員に浸透している施設は職員のモチベーションが高く、定着率が高いこと。先生方と職員が共通の価値観に基づいて、各々の願望と行動が一致し、共生の関係を築くことで、益々素晴らしい園となっていくことでしょう。
二つ目は、労使トラブルの起きない園づくりを推進していくために、職場全体のルールを定めた「就業規則」や「職場のルールブック」に則って運営していくこと。ルールが明確だと、園の理念に基づいて、先生方が安心して手腕を発揮することができ、職員が安心して働ける職場づくりに寄与します。
三つ目は、職員が園で働くことによって、自己実現できる仕組みを創り上げること。各々の職員のスキルアップはもちろんのこと、人間力が高まるのを実感できることが園の発展にとって一番の要となるのではないでしょうか。
これら三点に対応する園運営を行う為に、人事評価・賃金制度と人材育成、能力開発が連動した仕組みを取り入れるのもこれからの施設経営に必要だと感じております。貴施設では、何らかの人事考課や、業務目標制度（目標管理制度）を実施していますでしょうか。もし、実施していらっしゃらない場合は、まずは業務目標制度（目標管理制度）を実施することをお勧めいたします。仕組みをしっかりと実践に結びつけることにより、上司と職員とのコミュニケーションや相互理解が深まる、職員の意識改革や勤務意欲向上に繋がるなどの効果が得られます。
藤社会保険労務士事務所は、NPO法人エンジェルサポートアソシエーションに協賛しています
